照明の明るさの量は、光束という光の量 = lm ルーメン で表すことができました。
これは照明から出た光を人間が感じる量であり、照明の明るさそのものを示す単位です。
では視点を変えて、照明を使って何か作業するときの明るさについて考えてみます。
ルクスとは
例えば、綺麗なお花にライトを当てたり、読書の文字を読むために照らしたり、お料理の材料を包丁で切るとき、まな板に光を当てるといった何か目的の物を照らすときに、どの程度光が降り注いでいるのかという明るさの度合いを定義する指標があります。
目的の物が照らされた明るさを照度と言い、
ルクス(=lx )という単位
で表すことができます。
光に照らされた対象を視点とした明るさを示す単位なので、十分に光が当たっているか否かは、状況によって違いがあり、その違いを照度として把握することができます。蛍光灯から照らされた階段に当たっている光の量や屋外灯で見えるベンチなど照度は様々です。

↑身近な照度の例 照度(lx)↑
カンデラという光の単位について
ダウンライトやスポットライトなど、対象物に上手く光を当てるために、微妙に角度を調整したりして、光の方向を変えたりすることがあると思います。 光源からある方向に向けて照らす光の強さを
光度といい、単位をカンデラ =cdと
と表すことができます。

光度 (単位 : cd カンデラ )「照明で照らす方向性のある光の量」
参考文献
牟田 淳(2011).『あかりと照明のサイエンス』.オーム社/開発局
安斎哲(2018).『世界で一番やさしい 照明』.建築知識
安斎哲(2021).『世界で一番くわしい 照明-最新版-』.株式会社エクスナレッジ